ニキビ
\ 院長からひと言 /
ニキビは体質性の慢性炎症性疾患です。皮脂の分泌が旺盛な若い時期に出現し、炎症を起こしやすい体質の人に強く起こります。また、慢性疾患であるために、一度発症すると長期間続きます。
罹病期間に個人差はありますが、ニキビ自体は将来的にはいずれ沈静化します。が、その最大の問題点は…炎症により破壊された組織が収縮し、「クレーター」と呼ばれるニキビ跡を残すことです。
できてしまったクレーターは一生残るのです…ニキビ体質が落ち着くまでは、治療により良い状態を維持していけば残るニキビ跡は最小化できます。
今ニキビで悩んでいる方は、迷わず、できるだけ早く当院に受診してください!
ニキビとは?
生活で気を付けて欲しいこと
□ 洗顔は1日2回、こすらず泡で優しくおこなってください。
□ 高血糖や乳製品が悪化因子と言われていますので、一度にたくさん甘いものを食べたり、乳製品の過剰摂取は避けてください。
□ 夜更かしをすると悪化しますので早寝早起きを心掛けましょう。
□ ニキビを触ったり潰そうとしたりすると悪化したり跡になったりしやすくなるのでしないようにしてください。
□ ストレスも悪化因子となります。マインドフルネス(瞑想やヨガなど)もよいと言われています。
まずは治療前に記録を
ニキビの治療は?
基本的には、毛穴を刺激すると詰まりやすくなります。
具体的には…
おでこやコメカミなどであれば、髪の毛や被り物(ニットや帽子など)などによる刺激。
頬や鼻、顎などであればマスクによる刺激。女性であれば化粧品刺激なども原因として考えられます。
Step1 毛穴の詰まり対策
また、気にして触ることによっても刺激されます。
以上を回避することが重要です。
また、保険収載された薬剤で毛穴の詰まりを抑えるイオウ製剤、過酸化ベンゾイルやアダパレンなども処方可能です。
過酸化ベンゾイルやアダパレンが使用できない方にはアゼライン酸含有機能性化粧品も販売しています。
保険診療で以下の毛穴の詰まりを抑える薬が処方できます。
自費にはなりますが、こちらも毛穴詰まり対策に利用できます。
Step2 皮脂の過剰を抑える
睡眠不足やストレスで皮脂の分泌は増加します。
夜更かしは避け、早く寝て、睡眠時間を充分に確保するように心がけましょう。
洗顔は強くこすらず、泡で優しく朝・晩1日2回は行いましょう。
脂質代謝を改善のためのビタミン剤(ビタミンB6/ビオチン/L-システイン)などの処方も可能です。
Step3 病原体の増殖を抑える
アクネ菌やマラセチア菌が出すリパーゼや、皮脂が分解されて発生する脂肪酸などによりニキビが悪化します。
ニキビダニが関与する場合はその対策も必要です。
保険診療で以下のアクネ菌を抑える薬が処方できます
Step4 炎症の悪化・進行を抑える
炎症の悪化・進行が見られる場合…
内容がうまく排出されず、難治化しそうな場合は「面皰圧出」や「切開」などの処置を行う場合もあります。
内部に不良肉芽を形成した嚢腫が出来てしまった場合は、「ステロイドの局所注射」を行う場合もあります。
炎症期を過ぎても赤み・黒ずみが続く…
体質によっては、炎症期を過ぎても赤み・黒ずみ・隆起が長期間持続する場合があります。
これらは、PIP/PIE/PIPなどと呼ばれ、根気強く治療を続けることにより改善が期待できます。
炎症が治まってからも、これらがあるうちは治療を継続しましょう。
ニキビ跡(クレーター)ができてしまった…
炎症ニキビを放置すると、組織破壊が起き、治癒期に収縮する際に凹み…いわゆるクレーターができます。
赤みや黒ずみは適切に治療コントロールしていれば薄くなりますが、クレーター(陥没)は生涯残ります。
初期段階から積極的にニキビ治療を行い、炎症ニキビを作らないようにしておけばニキビ跡を最小限にすることができます。
ニキビは年齢とともに出なくなる日がきます。
その時がくるまで、ニキビ跡を作らぬよう共に頑張りましょう!
胸や背中などのカラダニキビについて
カラダニキビは、ステロイドの誤用などや、洗い方、衣類などで悪化します。
□ 身体を洗う際は、タオルなどで擦らず泡で優しく手洗いしましょう。
□ 肌着は、化学繊維は避け、ふんわりとした柔らかい綿100%のものを選びましょう。